はじめての手打ちそば|家にある道具だけでそばを打つ

「そば打ちをやってみたいけど、道具をどうしようか…」
台所にある道具だけでも手打ちそばは打てます。
失敗しないためのポイントを押さえて、気がるにトライしてみましょう
そば打ちの道具を家にあるもので代用する
★打ちやすいそば粉を使うこと…そば粉は原料の差だけでなく挽き方によっても、つながりやすさが違います。
(粘りのもとになる)甘皮部分が挽きこまれたそば粉を使うと、長く繋がったそばをうつことができます。
★水の量をきっちり量ること…そば粉には種類によって適正な水の量が違います。
少ないとひび割れや切れのもとになり、多すぎると均一に延ばせない・切り口がつぶれて食感が落ちる、など。
以下の記事では石臼挽きそば粉特特選(加水率:夏41〜44%、冬47〜49%)を使用しています。

[ 用意する道具 ]

  • ボウル
  • マット(ランチョンマット)2枚
  • 麺棒(40cmくらい)
  • キッチンスケール(はかり)
  • 包丁
  • まな板

[ 材料(2〜3人前)]

  • そば粉特特選240g
  • つなぎ粉60g
  • 水144g
  • 打粉100g
そば粉・つなぎ粉・水の量をきっちり量ります。カップの目盛りは誤差が大きいのでキッチンスケールを使います。
水の量はそば粉とつなぎを合わせた重さにそば粉の加水率をかけたものです。
(240g+60g)×(加水率:夏41〜44%、冬47〜49%)=144g(48%として計量)

[ そば打ちの手順 ]

水回し〜くくり

  • そば粉に水を入れる水回し

    1、ボウルにそば粉とつなぎを入れ、ダマをつぶしてそば粉とつなぎを均一に混ぜます。量った水の7割ほど(約100cc)入れ、手早く爪の先で表面を引っ掻くようにして水たまりを散らします。
     

  • そば粉に水を入れる水回しその2

    2、手が濡れなくなったら両手でザクザクとそば粉の中に水分をすき込みます。(塊が手に付いたらすぐ取ってください。)

  • そば粉に水を入れる水回しその3

    3、さらに両手で粉同士を大きくつかんでフサフサと揉み合わせ全体を均一なパン粉状にします。ボウルは深さがあるので縦方向にむらができないよう、底からよく掘り起こすとよいでしょう。
     

  • そば粉の水回しからくくり

    4、2回目の加水は微調整分の水を10ccほど残して全部入れます。 また水たまりを散らし、全体をかき回したら以降は揉まず、切るように水分をすき込みます。 全体が均一になったらお米を研ぐように全体をぐるぐるかき回し、 小石〜こぶしくらいの塊がたくさんできるまで続けます。まとまりにくい場合には水を追加します。

練り・こね〜へそ出し

  • そば打ちの練り・捏ね

    5、ひとつにまとめ、練ります。向こう側1/4を起こして手前に折りこむように練ります。大きな木鉢の中では両手で練りますが、そば玉が小さいのでボウルを片手で押さえながら片手で練っています。
     

  • そば打ち菊練り

    6、菊練りは向こう側1/4を起こして手前に折りこむように1回押し転がしたら、反時計回りに回転させ送りながら表面を少しずつ巻き込んで、中央に折込シワを集めます。

  • そば玉のへそだし

    7、表面のしわが一箇所に集まったら(ヘソ)、さらにヘソをすぼめてヘソだった部分が頂点になる円錐をつくります。

地のし〜延し

  • そば玉を手で押し延ばす地のし

    8、頂点を下にして少しずつ押し、厚みが1〜1.5cmになったら麺棒で丸く延していきます。

  • 角だし

    9、丸い麺帯の中央線上にたっぷり打粉をふり、麺棒に巻きつけて中央部分をかるく手で押して転がし、楕円形にします。4方向にくりかえし四角く角を出します。

  • 角だしから肉分け

    10、手で押した四角の対角線以外の部分が厚いので、まず厚い部分だけを延ばし、均一な厚み・大きさに整えます。

  • 家にある道具で蕎麦打ち-肉分けからのし

    11、ランチョンマットの横幅が50センチくらいなので、50センチの幅で均一な厚みになるように力加減しました。

  • 麺帯を上下に切り分ける

    12、上下中央のところで切りました。さらに2ミリの薄さになるまで延ばします

たたみ〜切り

  • たたみと切り

    13、 麺帯のすべての重なりに打ち粉が入るようたっぷり振って3つ折りにします。(上1/3を折る、下1/3を折り上げる)
    左手または紙箱の蓋などで生地がずれないように押さえ、2ミリの幅になるよう切ります。

  • 手打ちそば完成

    14、よく沸騰させたたっぷりのお湯で、少量ずつ茹でます。(湯の温度が下がると麺が切れます)幅2ミリで茹で時間は約1分半。茹だったら水にあけてぬめりを洗い、冷水で締めて食感を良くします。

[ 本文で使用したそば粉 ]

[ まとめ・EX ]

  • ボウルを使った水回しは木鉢を使った水回しよりも加水量が少なく仕上がった。木鉢よりもボウルの方がすぼまった形をしているので、水分の蒸発が少ない、粉同士がよくぶつかり混ざり合うためか。
  • 生地をたたんで切る際、切り離した生地を2枚重ね合わせた上で三つ折りにした合計6枚重ねた状態)が、重ねずに1枚を三つ折にして切ったほうが良かった。 洋包丁の刃は薄く軽いので、包丁が上から抑える力(包丁の重さ)よりも、包丁の刃が生地の表面を切るときの前後方向への摩擦力が大きく、生地が動いてずれてしまうため、たたんだ麺帯の厚みが薄いほうが切りやすいことがわかった。そば切り包丁の重さは、重ねた麺帯を固定する役割も大きい。
  • 洋包丁は刀身にカーブがついているので、菜切り包丁のような長方形の刃の包丁のほうが切りやすい。

 

[ おまけ・そば切り包丁とこま板について]

そば切り包丁

3/4ほど洋包丁で切り終えたところで、そば切り包丁に持ち替えました。
ここで、駒板の代わりに紙箱の蓋を使っています。
(駒板というのは包丁に当てて使うガイドのことです。駒板を当てたまま少し包丁を左へ倒すと駒板が少し動きます。この幅がそば一本分の切り幅で、切ったら倒す、切ったら倒す…を繰り返して使います。) 重さも高さもあるそば切り包丁だと、紙箱の蓋でも立派に駒板として機能しました。


そば切り包丁で切った麺線

そば切り包丁で切った麺線です。
洋包丁でも上の完成写真くらいに切ることができましたが、
切りは出来映えに目に見えて反映するのと、何よりもそば切り包丁は楽に切れます。
道具を何かひとつだけ揃えるとしたら包丁をおすすめします。