美瑛の蕎麦|北海道美瑛町

絵のような風景から読み解く、 美味しい蕎麦の秘密

穏やかな丘が遠くまで続く美瑛の畑

波のように続く美瑛の美しい丘は、大昔の激しい火山活動によって積もった火砕流の堆積物が、放射状に走った川の流れで削られ、長い年月をかけてできました。美瑛の代名詞とも言える丘の畑は、平地に比べて農業機械も入りにくく作業も大変になりますが、ソバ栽培の要である水はけにとっては最高のロケーションです。
美瑛の傾斜地に作られるソバ畑

幻想的な朝霧につつまれるそば畑

美瑛の夏は最高気温は30℃前後、最低気温は20℃を下回ることもあり、激しい寒暖差が収穫期の蕎麦にぐっと旨味を閉じ込めます。地温と気温の差で早朝に霧が出やすく作物に朝露が付く為、適度な水分補給となって猛暑や干ばつにも耐えて強く生育します。
早朝、霧のかかる美瑛のそば畑

牧歌的風景の登場人物たち

美瑛では牧草を食みながら丘をのぼる牛の姿を見ることができます。酪農の他に養豚などの畜産業もさかんで、昔から畜産家と農家の間で堆肥と麦わらを交換するなど、土壌の改良と持続可能な循環型農業に努めてきました。地域全体で環境保全型農業に取り組み、ソバだけでなく他の作物においても有機肥料栽培・減農薬栽培が励行されているその恩恵の一つは地域の生態系が豊かであること。ミツバチや蝶だけではなく、アブ、トンボ、てんとう虫、アリやバッタまで多種多様な昆虫が花盛りのそば畑を訪れ、受粉を手伝います。
牧草地で草を食む乳牛たち
ソバの蜜を食べに来るてんとう虫 ソバの蜜を食べに来るアリ

淡い緑に光るそば畑〜作る人の観察眼と理

美瑛のおうるの丘に広がる太田ファームのそば畑では淡い緑のソバの葉がそよぎ、多様な昆虫が蜜を求めて食物連鎖に加わります。太田社長の言葉は「土をいじめちゃいけないんだよな」と、とても自然体。ソバの根が張り葉が茂って、太陽の光を実に蓄えることが一番重要であり、それに対して化成肥料は適していないと感じるとのこと。「化学肥料を使うと余分が土に残ったり、葉から放出されて害虫を呼んだりして悪さをする。」と言い、鶏糞だけの有機肥料でそばを育てています。「それでもって鶏糞肥料って言っても色んなのがあって、笑」と照れくさそうにこだわりを話してくださる太田社長の熱い探究心や柔軟なお人柄があり、太田ファームでは畑と作物を観察して理と理を合わせ、自然発生的に合理化が進んでいます。
そば畑にたたずむ太田社長太田社長。手のひらとソバの花実
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