6月限定販売のそば粉「水無月」の水回し

6月限定販売のそば粉「水無月」の登場です。
そば粉の粒子の見た目はやや粗く、粗挽きの黒いほしがポツポツ見えます。
色は「特選」に近く、粒の粗さを加味して予想される加水率は50%として、
水無月500gとつなぎ125gの合計625gに対して、水315gを用意しました。

一回目の加水で全量の6割を入れたところです。
ナッツのような香ばしい香りが立ち上がり、全体がしっとりしてきました。

2回目の加水。少しずつ水の量を増やしながら(5ccほど残して)全部いれたところで全体にまとまりが出てきました。

このまま転がしていけば、おそらくひとつにまとまるでしょう。
ここで、もうひとふりするか、しないかが大きな問題です。

いつもならここで必ずもう少し加水します。
粗挽きの大きな粒が時間差で吸水するので、こねている間にそば玉が締まってくることが予想されるからです。
やや柔らかめでまとめることで、後々ちょうど良い硬さになり、難なく打つことができます。
しかし今回は趣向を変えて、「加水しない」でやってみます。
硬く締まったそば玉をうまく打つ方法です。

粒をまとめるとこのように、早くもそば玉が締まって硬くなってきました。

こねてみると、生地が硬く折り曲げた部分が延びきらずに割れています。
そこで、大きく変形させる通常のこね方とは違って、菊練を使って丸い形のままこねていきます。
このほうが必要な腕力も少なくすみます。さらに、先ほど残しておいた水を手につけながら、菊練していきます。
手水を使ってこねてみても、いつまでも表面がぬかるむのではなく、アッというまにそば玉に吸収されて表面がサラサラになります。そば玉の表面を磨くように、軽く鉢の局面に押し付けながら同じ面を数回往復させます。

すると、このようにキレイに整った肌のそば玉になりました。このまま地のし、丸出ししても割れることなく成型することができます。
ただし、生地が硬いので延しに力が要ります。

この大きく変形させずにこねるやりかたは、水回しが完了した時点で全体に均一に水がはいっていることが重要です。
また、もう少し水の量を増やすならば、くくる手前で少し時間をおき、時間差吸水が終わったのち、吸水差分の水を修正するつもりでプラスアルファの加水をします。