特特選で十割そばを打つ

つなぎを使わない十割そばは、引っ張りに強いグルテンがまったく含まれないため破れやすく、 二八そばよりも打つのが難しいですが、加水の見きわめに一考を加え、挑戦してみました。

  • つなぎを入れないそば粉100%の状態

    1 そば粉100%で打つ場合は二八そばの加水率よりも2〜4%ほど多めに水を加えます。 1回目に用意した水の7割ほど入れ、全体を均一に拝み揉みします。

  • 2回目の水回しが終わったところ

    2 さらに残りの水を加えた2回目の加水が終わったところです。 ここから、攪拌増粒の作業をていねいにやりこみます。

  • 攪拌増粒によって蕎麦玉が大きくなってくる

    3 普通写真ぐらいになったら硬さを確認して、くくりますが、ここではくくる前に一息入れます。(2〜3分経過)  再度そば玉の硬さを確認すると、締まって硬くなっているのがわかります。そのぶん水を加え、硬さを補正します。

  • くくりの前に時間をおくことで、そば玉が締まる

    4 締まって硬くなった粒の塊に、さらに2%ぶんほど加水した状態。これで3のはじめと硬さにほとんど差がありません。

  • 丸出しのあと、巻かずに角出しをする

    5 練り・へそだし・地のし・丸出しはふつうに行います。局所的に力のかかる、麺帯を麺棒に巻いて押す角出しをせず、広げたままタテヨコ方向に伸ばして角出しをします。

  • 角出しが終わったところ

    6 角だしが終わったところ。たくさん加水したぶん、麺帯から水が離れ始めて台がしっとりしています。打ち粉は台と麺帯の間にしっかり打ちます。

  • 肉分けから本延し

    7 肉分け・延しをしていきます。グルテンの縮み戻りがないため、押すとそのまま延びるので慎重に。厚い場所から順番に延します。薄くなるとつなぎが入っていない分、感触もかげろうのような繊細さ。

  • そば切りと麺線

    8 打ち粉を振ってたたみ、切ります。たくさん水が入っていますが決して柔らかくはなく、ストンストンと小気味良く、切りだけは二八よりも易しく感じます。

  • 茹で上がった十割そばの麺

    9 茹で上がりの十割そば。独特の食感と風味の立ち上がりに早さがあります。 ぜひ挑戦して、実際に食べてみてください。