2016年度新そば粉を打ってみました

待ちに待った新そば粉が10月24日より発売になりました。
度重なる台風を乗り越え、無事に収穫され丁寧に乾燥調整・選別されたソバは一等級をつけられています。 大雪山から吹きおろす風、北海道(上川町/沼田町)の景色が目に浮かびます。 さっそく今年の新そばを味わうべく、いざ打ち始めました!
触れた新そば粉は不思議としっとりとした感覚がします。
実際のところは、ソバは収穫後の乾燥調整で規定の水分まで乾燥させたのちそば殻をつけたままで冷蔵保存しているので、年間でそれほど水分量が変わりません。
新そば粉の水分量を測定してみると、前年ソバ原料そば粉の9月の平均水分量と比較して僅か0.2%〜0.4%ほどの差です。
例えば、お米の話になりますと新米と古米の水分量の差は3%も違います。
ですから、新米を炊くときの少なめの水加減をイメージしながら加水量を減らすのはNGです。
新ソバだから水は少なくという思い込みは捨てて、あくまで水の量は手の感覚で調整します。

水は47%用意しました。
1回目に7割ほど注ぎ込むと、全体に調子よく水が回っていきます。
1回目の水回しが終わったところ
さらに2回目の加水を入れてあることに気づきます。

水を入れた先から手と鉢がサラサラに乾いていくではありませんか…
湿度計をチェックすると湿度37%。普段のそば打ち教室内の湿度が50%(同じ湿度計で)のとき特選の加水率が47%なので、ここは絶対多めに水が入るはずです。
用意した水を入れきって、さらに若干足しました。最終的な加水量は48%
これでもかなり遠慮がちに入れたほどです。
ちなみに、こちらが当日の気象庁の温度・湿度データです。お昼過ぎに一気に空気の乾燥が進んでいます。
この季節は朝夕とお昼で湿度が30%近く変わるので、秋のお昼過ぎのそば打ちは加水量に要注意です。

さて、やや水分少なめの状態でくくり、こねていきます。
単純に硬いというより弾力を感じます。
弾力のある捏ね
さらに延ばしていくと、気持ちよく延びていき、、
水分量を詰めた印象のわりには苦労なく打つことができました。

さて、いよいよ楽しみな試食です。
落ち着いた灰白色の中に透けて見える新蕎麦の色が鮮やか。
舌の上にのせるとすぐに立ち上がる甘みがあり、しっかりとした穀物の味がします。
また、さきほど練りの工程でも感じていた弾力どおり、すばらしいモチ感があります。
どうぞ、本年度の新ソバをご賞味ください!
2016年新そば打ち上がり